[東京-NITEエッジ ] センパイのこと

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地方から上京し、友人が少ない孤独な人間を狡猾に利用する人間がいて 先輩はその餌食になった。 どん底で迷走している先輩に、 まさに奇跡と思える、一人の女性との出会いが訪れる。 例のマスター企画の飲み会に来た女の子達の中に天使がまぎれていたんだ。 彼女の存在はデカかった。 バッシバッシと先輩の頭ひっぱたいて 「てんめえ気合い入ってんのかよ?」と喝を入れるし 心優しく見守ってもくれる方だった。 彼女といるときの先輩、笑顔が戻って来てた。 あんな楽しそうな先輩、久しぶりだった。 先輩がボケて、 浜ちゃんみたいにバシッとはたく彼女、お似合いだった。 学童保育の先生してて、子供達にも優しい方だった。 そしてついに彼女は先輩を夜逃げさせた。 彼らから離さないと何も始まらないって判断し逃がしたんだ。 賢明だった。 ボロボロの先輩、彼女に支えられながら社会復帰をする。 いくつもバイト掛け持ちし。二日間眠らず連続で昼夜働いては数時間気絶するように睡眠、 またすぐ起きてバイト行く生活サイクル。 そんなハードな生活をしばらくやって借金返して、クスリも抜けてきて 心身ともに健康的に回復。 やがて彼女と結婚。 今では3児の父になり、福祉関係の会社に就いて介護資格も取って のちに沢山の従業員がいる事業所の所長にもなったんだ。
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