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少女の目は私をじっと見つめて離さない。
赤い深紅の目はそれこそ妖怪のような…
「な…何を言うんだ…私は死にたくなど…」
乾いた声がやっと出た。
だが、深紅の目からは逃れられない。
今の私は蛇に睨まれた蛙も同じだ。
いや…違うな。私は少女の目に魅入られているのだ。
「いいえ、あなたは死にたがっている」
少女は微笑みながら断言した。
「私には、わかるんだ」
そう言うと少女は目を細めて笑った。
妖麗なる微笑み。
それを見て唐突にわかった気がした。
「あぁ…君は死神か。」
「ん~…ちょっと違うけどね。」
肯定とも否定ともとれないことを言って少女はさっきとは違う感じで笑った。まるでイタズラがバレたのに嬉しいと喜んでいる子供だ。
だが、この娘が本当に死神だというのなら…
「私を…殺してくれるのか?」
「うん。」
あっさりとした返事
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