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「よかった。大丈夫そうですね」
私の行為を彼は軽く受け流し
何やら名刺を差し出した。
「私、実は探偵なんです。よろしければ話を聞かせてもらえませんか?」
探偵ね。
と言って一応受け取る。
そこには「職業:探偵」というワープロ文字と
「申し遅れました。私は藤咲直也といいます」
彼の名前が印刷されていた。
「で、話というのは?何か事件でもあったのかね?」
名刺をしまいながら聞く
「いえ、えっと……」
彼はごもり視線を宙に泳がせた。だが、決心したように言った。
「あなたの死にたい理由を聞きたいんです。」
「え?」
一瞬少女と違った感じで核心をつかれた気がした。
「私の…死にたい理由…」
「はい。」
彼はまっすぐに私を見ている。
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