諦観の沼に差した光

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「……っ、う、んっ、あっ」  二間続きの広い和室の中央に敷かれていた布団の上で、四つん這いになる美夕の腰を掴み後ろから何度も突く夏樹だったが、フンと鼻で笑った。 「んうっ」  強く奥へひと突きした夏樹は背後からうつ伏せの美夕の両乳房を掴み躰を起こさせた。 「ひあうっ」  最奥を硬く太い熱棒で突き上げられ、美夕の躰が痙攣する。 仰け反る美夕の乳房を強く揉みながら夏樹は耳元で不気味に囁いた。 「美夕ちゃん、大人しくなっちまったなあ。ちょっと、刺激になること、しようか」  虚ろな美夕の意識は、夏樹の声に反応する事はなかった。  ただ、絶え間なく続く躰だけの感覚に沈んでいく。 心を殺す。 今の美夕にはそれしかなかったのだが。
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