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第2話 衝撃的な事実
仕事が忙しいのは今日まで。
と言っても、たった2日間だったのだが、その忙しい日々が、ようやく終わった。
帰りはやっぱり遅くなったし疲れてもいたけれど、仕事の達成感で昨日よりは気分がいい。
「ただいまー」
またコンビニでお弁当を買って帰った私は、いつも通り、荷物を置いてから手を洗ってうがいをして着替えようとした。
「えっ……」
ふと視界に入った机の上に、マリーが居ない。
驚いてマリーが居たはずのタオルの上に手をやると、ぬるっとした感触がして、すぐに手をひっこめた。
何……これ……?
その瞬間、昨日マリーが泣くと溶けちゃうと言った事を思い出した。
「マリー……? ねぇ、マリー! 大丈夫!? マリー!?」
必死にそう叫ぶと、タオルの上でゆっくりと何かが動き出し、昨日と同様に形を作り始めた。
「……さきぃ……」
瞳に涙をいっぱい浮かべ、その朱くてつぶらな瞳は私を見上げた。
「ごめんね、マリー……。ごめん……」
私はそんなマリーの小さな体を優しく抱きしめた。
あぁ、夢なんかじゃなかったんだ。
この子はこうしてここに居る。
体だって、ちゃんと暖かくて……。
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