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昨日同様、マリーと話をしながら私だけ食事をして、漸く落ち着いたところで、マリーが思い出したように話し出した。
「にんげんって、ないてもとけないってほんと?」
「うん、溶けたりしないよ」
「すごい! ほんとにそうなんだ?」
「いや……、溶けるほうがびっくりだったよ? それに溶けたのに元に戻れるマリーの方が凄いと思うよ」
「すごくないよ。だって、ほんとはたくさんないちゃだめなんだもん」
今まで明るい笑顔で話していたマリーが、急に少し暗い表情を見せた。
「え?」
「なんかいも、なんかいも、とけるとね、すこしずつなくなっていって、いつかなくなっちゃうんだって」
「えっ…………。ええっ!?」
さらりとそんな重要な事を話されて、私はかなり驚愕した。
「待って、マリー! そういう大切な事は最初に言ってくれないと……」
「たいせつなこと?」
目をぱちくりとさせて首をかしげるマリーに、私はさらに驚かされた。
「大切な事じゃ……ない……の……?」
「わかんない」
小さいマリーにはまだちゃんと理解出来ていないのだろうか……。
だったら、私が気をつけてあげなければと、そう思った。
「えっと……、そうだ、マリー、時計、解る?」
「わかんない」
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