第3話 マリーは凄い!

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「あっ、そうだ、マリー!」 「なぁに?」 「マリー、朝はどうしていつもぬいぐるみなの?」 「………? それ、なぁに?」 あぁ……、やっぱり、解らないのかぁ……。 「ぬいぐるみっていうのはね……」 説明しようと思ったが、この部屋にはぬいぐるみなんて置いていなくて……、私はスマホで適当なうさぎのぬいぐるみを検索して写真を見せた。 「こういうのでね、動いたりはしないんだ」 「……かわいい……」 その写真を見て、マリーは朱色のつぶらな瞳をキラキラと輝かせた。 「朝、マリーもこれに似た感じになってるんだよ。」 「そうなの? まり、しらない。でも、これ、かわいい」 「あっ、じゃあ、うさぎって知ってる?」 「うん! まりたち、うさぎだもん!」 「あっ、そうなんだ……?」 確かにうさぎだろうけれど……、うーん、ま、いっか……。 もう、深く考えるのはやめよう。 また頭が痛くなりそう……。 そう思った私は、今日はもうそれ以上考えるのをやめる事にした。 そして、食事を終え、昨日と同じようにマリーと一緒にお風呂にも入り、マリーはふわふわのクッションの上でふわふわのタオルに包まれ、気持ちよさそうに眠ってくれた。 いつぬいぐるみに変わっているのか気になって、ちょっと見張っていてみようかと思ったけれど、いつの間にか眠くなって、私も眠ってしまった。
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