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「まりたちは……、それがあるかどうか、わかんない。でも、それ……、かなしい……」
その朱い瞳に再び涙が滲み出す。
しかし、マリーは必死に堪えているようだった。
「マリー……」
「まり、ずっとあえないなんて、やだ。しゅぎょー、がんばって、またあのこに、あうんだもん」
「そうだね」
頑張って泣かないようにして話している様子のマリーは、とてもいじらしく見えた。
「あのこだけじゃないよ。いままでいっしょにいたこたち、みんなと、またいっしょにあそびたい。みんなで、ふわふわのおうちで……。それがね、まりの、ゆめなんだ!」
そう話すマリーは、さっきまで泣きそうだったとは思えないくらい、とっても明るい笑顔を見せていた。
「さき……。だいじなひとともうあえないって、まり、かんがえたことなかったからわかんないけど、きっと、すっごーく、かなしいし、さみしいよね? さき、どうしたらげんきになる?」
「……こういう時ってね、暫くは悲しくて仕方がない日が続くけど、いつかそのうち元気になれる日が来るんだ」
「いつか? ……いつ?」
「それは、解らないんだ。でも、なるべく早く元気になるようにするね。ありがとう、マリー」
首を傾げて私を見つめるマリーが、とても愛おしく見えた。
まだ出逢って数日なのに、こんなに私の事を考えてくれて、私もマリーにできる限りの事をしてあげたいなんて思ってしまっている。
そんな関係がとても不思議だった。
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