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久しぶりに来た京都の街並みは、裏通りでも結構変わっていて、知らないお店が出来たりしていた。
知っていた筈の道なのに知らない場所に居るようにも思えて、なんだか不思議な感覚で歩いていると、うっかり、大通りに出てしまった。
「あっ……」
思わずそんな声が出てしまった私は、踵を返して、今来た道を戻ろうとした。
その時……。
バッグの中からとても綺麗な何かの楽器の音色みたいな音が聞こえてきた。
えっ、何!?
驚いてバッグの中を見ると、マリーが上を向いて大きな口を開けていた。
……これ、マリーの声!?
マリーは必死に何かを叫んでいるようだった。
何が起こっているのか解らなかった私は、とにかく人がいないところへ行かなければと思い、早足で歩き出した。
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