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髪は柔らかいのにサラサラで、肩までのストレートで、色は白くて光の加減でキラキラと光る部分がある。
ぬいぐるみのマリーはその倍くらいの大きさはあるし、この子はマリーの原型をとどめていない。
人間みたいな容姿で可愛らしい赤いワンピースを着て、その上に白いフリルの沢山ついたエプロンをかけていて、可愛らしいリボンのついた白い靴も履いている。
「ええっと……、あのね、私、状況がよく解らないんだけど……?」
「…………えっとね、とけちゃっても、なまえよんでくれたら、もどれるんだよっ!」
キラキラした綺麗な朱色の瞳でそう説明してくるマリーだったが、私が知りたいのはそこではなくて……。
いや、それも凄い話ではあるのだけれど……。
「そうじゃなくてね……、あなたは、マリーでいいのよね? ぬいぐるみが、どうしてそんな姿になって動いて喋ってるの?」
「ぬい……?? なにいってるの? まりはまりだよ。さき、なまえつけてくれたでしょ? しゃべるのもうごくのもあたりまえだよ? さきだっておんなじでしょ?」
いや……、おんなじだと言われても……、どう見ても同じじゃないよね?
そう思ったが、それに関しては本人がよく解っていなさそうだったから、もうそれ以上聞くのをやめた。
「……じゃあ、あなたは何処から来たの?」
「さきがつれてきてくれた」
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