第6話 初めてのわらび餅

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連絡先を交換して、もう行かなければならない時間になって、私はマリーを見た。 「マリー」 「まりは、だいじょぶだよ。かすみちゃんにはまたぜったいあえるし。ね、かすみちゃん!」 「うん。東京で会えなくても、いつか絶対にね」 マリーとかすみちゃんを見ていると、本当に絆が深いんだなと思わされる。 血の繋がりがないのに、ここまで思い合えて、信じ合えるって、いいなぁと思った。 「会えなくても、これからは電話する事ができるし、顔を見たければ、お互いの顔を見ながら通話する事も出来るから、楽しみね」 電話ができる事を「楽しみ」と言葉に出して言ってくれた吉野さんは、本当に楽しみに思ってくれているようで、優しい笑顔を浮かべていた。 さっき連絡先を教えて貰うのと一緒に、練習で一度やってみせたら、マリーはとても喜んでいた。 かすみちゃんは、使い方をよく知っているようで、はしゃぐマリーを呆れたように見ていたが、そんな顔をしていても、きっと嬉しいんじゃないかとそう思えた。 遠く離れてしまっても、話したい事があったら、もういつでも話ができる。 今日、吉野さんとかすみちゃんに会えて、本当に良かった。 そのあと、私が知らない間に吉野さんがわらび餅代を払ってくれいて、沢山お礼を言って、私たちは明るく別れた。 短い時間だったけれど、いろいろな事が解って、マリーもかすみちゃんにいろいろ教えてもらえて…。 何より驚いたのはマリーが食べ物を食べられるという事だった。 一緒に食べたわらび餅の味は、きっと一生忘れないだろうと思う。
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