第3章~海の見える大都市~

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ーーーー〈大都市・中央広間・鐘の塔前〉ーーーー 翌朝、私達は約束の場所に向かった。 ゴーン!!ゴーン!! 8時を知らせる鐘の音が、街中へ響き渡る。 フェンネル「やぁ、待っていたよ!」 フェンネルは、朝から爽やかな笑顔で手を挙げる。 茜「やっぱりキザね」 紅蓮「まぁまぁ」 フェンネル「早速だが、君達の決断を聞かせてもらおうか」 紅蓮「その前に、質問しても良いですか?」 フェンネル「うん、何なりとどうぞ」 紅蓮「フェンネルは、あの日自分を襲った人が誰か知ってますよね?」 フェンネル「いや?知らない」 茜「嘘言っても駄目よ!白状しなさい!」 フェンネル「本当の事さ、ただ……」 紅蓮「ただ?」 フェンネルは、真剣な顔で躊躇する事なく答えた。 フェンネル「誰かが裏で糸を引いてる事は、薄々気づいてたさ」 琴音「何故、あの時言わなかったのかしら?」 フェンネル「言ったら……君達は、賛成したかい?」 その言葉に!暫し黙り込む。 フェンネル「だから、言えなかった……いや、言わなかったんだ」 茜「私達を騙したのね」 フェンネル「人聞き悪いなぁ~騙してなどいないさ」 嘲笑うように話すフェンネル。 フェンネル「でも、君達なら信じれる気がしたんだ!信じてほしい!」 一変して今度は真剣な眼差しで、私達を見つめるフェンネル。 その眼差しには、嘘偽りを感じられなかった。 紅蓮「やってみます!!」 私も真剣な眼差しでフェンネルを見つめ返す。 フェンネル「それなら、良かった!そう言ってくれると思ったよ!ありがとう!」 フェンネルは、満面の笑顔で一同と握手を交わす。 (コロコロ表情が変わる…忙しい人だな) フェンネル「それでは、幸運を祈る!目指すは、虹の国"イリス"へ!!」 フェンネルは、腕を大きく広げ鐘の音共に消えて行った。
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