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第3章~海の見える大都市~
翌日、今度は柚木の家にお邪魔する事になった。
駅前で待ち合わせをすると私達は、柚木の家へと向かった。
柚木の家は、駅から歩いて5分くらい程の場所にあり途中の下り坂から見える海が太陽に照らされ、いつも以上に青々として見えた。
紅蓮「相変わらず、ここから見える海は格別だよね」
琴音「ほんと素敵ね」
風に靡く髪の毛を耳に書き上げる琴音。
(何だか大人びて見えるな)
柚木「私の親、今日どっちも帰りが遅いんだよね」
紅蓮「そうか、柚木の親も共働きだもんね」
柚木「でも、もう慣れっこなんだ」
紅蓮「私も」
(本当は、ちょっと寂しいかな)
嘘をついてしまった事に少し罪悪感を感じた。
柚木の部屋に入り本を中心に輪になり、手を繋ぐと本の世界へと導かれた。
目の前がホワイトアウトする。
目を閉じ聞こえてきたのは、さざ波と海猫の鳴き声だった。
芽依「ねぇねぇ!ぐっちゃん!」
私の肩を揺する芽依に急かされ目を開けた。
目の前には、透き通るような大海原と、ぼーっ汽笛を鳴らす豪華客船。
芽依「海だよ!海!」
(見れば分かるのだが)
柚木「それにしても、凄いね!」
琴音「大都市ってだけあるわね」
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