失われていくもの

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失われていくもの

空の星はいつから姿を消したのか 地上で煌めく星明かりに敗北し ひっそりと息を潜めているのでしょう 優しく淡い輝きに癒しを求め 見上げる日々はもう訪れないのだろうか 太陽の生を反射し輝く月に問う 視る目を失っただけさ 月は嘆息し嘲笑う 文明の発達と共に弱まっていく 在るものと語らう力 そのうち私も視えなくなるさ ぽたりと地に染みをつくる身勝手な姿を 呆れ果てながらも哀れむ月は 既に霞に包まれて 少しずつ輝きを失っていた 使用タグ 詩 星橙の詩 全読
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