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さざめく唄
月を抱いた海
星屑を散らしたヴェールをまとう
叶わぬ恋を歌う人魚の旋律を
宵に揺らめく風が優しく包み
さざなみが波紋をつくり広めていく
遠く、遠く
かつて地上があった場所まで
深く、深く
かつての乙女が眠る場所まで
さざめく波にのる哀しくも懐かしい旋律を
光を失った少女が拾い唄い繋いでいく
忘れないように、忘れないように
海の旋律と地上の旋律が交わり
ほろ苦く痺れる痛みを抱きながら
凪いだ心にたつさざなみは
長く、長く
葬られることのない物語として
紡がれ続ける
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詩
星橙の詩
※よむよま 参加作品
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