罪と罰

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罪と罰

真っ直ぐな瞳が羨ましかった 光をみない濁ったこの目を抉りたくなるほどに 真っ直ぐな言葉が羨ましかった 捻くれた言葉しか紡げない喉を潰したくなるほどに 芯の通った凛と立つ心が羨ましかった 捩れて千切れた感情が波打つほどに 遠くて 遠すぎて ただ ただ そう有りたかった 悔しくて 口惜しくて ただ  どうしたら 優しい人になれるのかな どうすれば あたたかい人になれたのかな 目に見えない刃は今日も誰かを切り刻む 背負いきれない十字架をうちに抱いて こぼれ落ちた宝物をただ眺めた どうしたら 深く愛されたのかな どうすれば 素直に愛せたのかな 破れた誓いを飛ばす夜風は ただ冷たく頬を撫でた ◇◇◇ #深夜の二時間作詩 #星橙の詩 #詩
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