花びら

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花びら

どんなに腕を伸ばして どれほど紡いだとしても この手は小さすぎて さらさらこぼれてゆく ひとひら はらはら 散りゆく花弁に あなたが重なり 雫が溢れた 薄れて霞んだ陽炎の先に あなたが あなたが いてくれたらなんて 叶わない願いをいだきながら 震える指が辿る思い出のかけらたち 褪せていく時間に逆らうように 消えゆくぬくもりを抱いて 眠り続けたい あなたのそばで 目覚めるその日まで
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