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「スーパーで七草を売っているのを見て、作ってみようかと思ったんです。うちの連中は、年末年始の暴飲暴食なんて慣れっこですが、先生はそろそろ胃が疲れているんじゃないかと思って」
和彦は嬉しそうに頷いた。
「食べる。実は、七草粥は初めてなんだ」
和彦と関わる男は、誰もが和彦に甘くなるものだが、笠野も例外ではないようだ。嬉々とした様子で器を準備しながら、三田村に尋ねてきた。
「あっ、三田村、お前も食うか?」
俺はオマケ扱いだなと思いながら、三田村は苦笑しつつ頷く。
「……ああ」
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