番外編 拍手お礼22

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 鷹津はボトルを床に置くと、佐伯のパンツのポケットを探り、携帯電話を取り出す。表示されている名は、意外性の欠片もなかった。  欲情が渦巻いていた鷹津の胸の内に、さまざまな負の感情を孕んだ塊が生まれる。電話をかけてきた相手――長嶺賢吾を、鷹津は心底嫌っているのだから仕方ない。  嫌ってはいるが、互いに利用できる存在だと認識はしている。その長嶺が、あえてこの時間、わざわざ電話をかけてきたのには、理由があるだろう。一番考えられるのは、鷹津に対する牽制と、脅しだ。  胸糞が悪い、と心の中で呟いて、鷹津は電話に出ていた。 「――自分のオンナが、他の男の腕の中で喘ぎまくっているか、確認したくてかけてきたのか?」  前置きなしの鷹津の挑発に対して、電話の向こうで長嶺は笑った。 『なんだ、もう、済んだのか』  数秒、返事に詰まった時点で、鷹津の負けだ。 「お前のオンナを壊したら、あとでどんな報復があるか、わかったもんじゃないからな」 『ほお。俺のオンナに対してだけは、妙に優しいお前なら、そんなことはしねーだろ』 「……こんなくだらないやり取りがしたくて、電話をかけてきたのか、クソヤクザ」 『先生の電話に出たのはお前だろ。俺は、先生の声が聞きたくて、電話をかけたんだぜ』     
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