三月は

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広場まで歩いたら 町には人が溢れていて 落とし物を拾ったり 道を聞いたり聞かれたり 時計台につく頃には 肌には汗が滲んでいて マフラーを取ったり 汗を拭ったり扇いだり 少女のもつ卒業証書 老人のもつ花束 季節の変わり目を気づかせる 私は今日マフラーを捨てた もう甘えない 寒くてもひとりで行こう 春は移り気だから 明日は雨かもしれないが そうやって怯えていたら いつまでも捨てられない ありがとう さようなら
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