prologue.おぼろげな記憶

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窮屈に敷き詰められたような曇り空。 体が浮かんでいるような感覚。 ふと白い景色にオレンジ色が混ざる。 夕日・・・かな・・・ 次第に鮮やかな赤が視界を染めていく。 ・・・きれい 穏やかな気持ちに包まれる。 心地よさに身をゆだねようとすると、黒い何かが私に触れた。 「もう・・・大丈夫・・・。」 ・・・優しい声が聞こえた気がした。 そっか・・・一人じゃないんだ・・・ 心に広がる温もりを抱きしめて、瞼を閉じた。
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