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料理人が仕える太陽神は、この世の光と太陽を司る神である。
太陽の恵みをあまねく人々に与え、世を光りで照らすことを定めとした
誉れ高き神。
精悍な体に太陽のような灼熱の心と体温をもつ、輝くような美男子だ。
料理人は太陽神の専属料理人であることに、誇りをもっていた。
太陽神が求める料理は工夫を凝らして作ってきたし、太陽神も
喜んで食してくれた。
尊い主のためなら、どんな料理でも用意する自信が料理人にはあった。
しかし今回だけは。
太陽のごとき熱き肉体をもつ太陽神の前では、アイスクリームや
かき氷といった冷たいものは、たちどころに溶けてしまうからだ。
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