いつもの日常

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奥津 雅大は 七歳上の上司だった。 その頃私はコールセンターで勤務していて 夫は 東京から転勤になって私の直属の上司だった。 さすが本社勤務を経て来た人だって 女子社員たちが騒いでいたけど 私は興味がなかった。 バツイチで子持ち その噂だけ 耳にしていた。 「最近元気ないんじゃないか?」 エレベーターで一緒になった 夫に声をかけられた。 「そうですか?」 「声のトーンが低い感じかな。 それと応対が少し冷たい感じがする。 前までは 一番柔らかい応対で評判もよかったから。」 「すみません。 気をつけます。」 上司のお小言としかとってない。 それから 何かにつけて夫から声をかけられるようになった。 「和香ちゃん 最近マネージャーに ずいぶん話かけられてない?」 女性の職場は 嫉妬の嵐 それでなくても 割と人気の上司だったから 注目されているのもあって 夫が私に声をかけているのを見かけたと すごい勢いで広がっていた。 「違うよ。なんか応対が悪いって 注意されただけだよ。 最近ちょっとイライラしてるから 気をつけないとだわ。」 そう最近私は イライラしていた。 五年付き合っている彼氏が いつまでたっても 結婚を口にしてこないからだった。 私より後に付き合った友人たちが ゴールインしていくのを見ながら 焦っていた。 アイツは私の事どう考えてるんだろう。 五年ってすごい長いのに・・・・・・ 時間ばかり経っていくんだもん・・・・・・。
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