いつもの日常

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「すみませ~ん!!」 店員を呼んだ。 「豚串 しし唐串と アスパラベーコン串 一本づつお願いします。」 私の声を聞いて友樹が 焼き出した。 それを私は真剣に見てる。 綺麗な指をしてる・・・・・ 「あの 何か?」 ぶっきらぼうな声 「あ いいえ。 暇だから 焼いてるの見てるだけ。」 「友達帰っちゃったよ。」 私と目を合わせないで ひたすら オーダーされた 串を焼いている。 「いいの。」 皿に入れて  「はい。」って渡された。 「ありがとう。」 それから私はややしばらく 友樹の手元を見ながら 焼き鳥を食べて ウーロン茶を飲んで さすがに おなかも一杯。 迎えに来ないパパだし そろそろ自力で帰ろうかと 思って顔をあげたら 焼き手が変わっていた。 「え?あれ!?」 「何にしますか?」 「さっきまでここにいた人は?」 「ああ 今日はもうあがりですよ。」 意味ありげにニコリと笑った。 ボケっとしてる間に 友樹がいなくなって 慌てちゃったんだった。 肩を落として レジでお金を払って店を出る。 急に孤独感に襲われた。 「ここから地下鉄の駅って・・・・。」 タクシーでついてきただけでさっぱりわからない。 「何してんだろ~~。」 スマホを出して 店の名前を入れて 必死に地図を見る。 「地下鉄の駅はどこ?」 泣きそう・・・・心細くなってきた。 夜の繁華街にいる人は怖い人にしか見えないし 私 かなりの方向音痴・・・・・・。 スマホと格闘・・・・・・。 「どこまで帰るの?」 恐る恐る振り向くと 友樹が立っていた。
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