2.幸せを願って

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それからの日々はあっという間だった 両家の両親に妊娠を報告したときは何度も聞き返されたけど 「あなたの人生なんだから謳歌できる道を選んでいいのよ」 と言われた その瞬間緊張の紐が解けて涙が止まらなかった 最悪の場合、罵倒されて勘当されることも考えていた 妊婦の柊斗の姉ちゃんもかなり驚いたものの、じゃあこの子と同級生になるのね、と優しく言ってくれた 「俺たち本当に恵まれてるな」 そう言ってまた泣いている俺を柊斗は抱きしめてくれた 初めての妊娠で俺も柊斗も分からないことだらけで戸惑うことも多々あった でも男性妊娠はかなり稀なことで好奇の目で見られるのは嫌だったから誰でも彼でも聞けなかった そんなときは両家の両親や柊斗の姉ちゃんに聞いてどうにか乗り越えてきた
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