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それが、正義なのだ。文句あるか・・
でもって、前置きが長くなったが、あの二人組の探偵の掌、”悪人ではない”ことはわかった。しかし、それだけではない”何か”が、さらにあったのだ。だが、それを美惠子は言葉に出来ないでいる。初めての感触というしかない。しかし、繰り返すが、悪い感触ではなかった。
「なんだかなあ」
「すまん」東八郎の言葉に、ボンボンが大きな体を小さくするようにしてわびる。
「幻魔デスの親玉とも合体し、わがものにした猛者が、娘に名乗り出られず、ボンボンと自己紹介するとはね」
「すまん・・」
「いや、いいさ、これは君たち家族の問題なのだから、所詮は、第三者の私の出る幕ではないのだから」
「そういうことにしてくれると、助かる。いずれ、機を見て話そうとは思うのだが」
「まあ、いいさ。私も、久しぶりの里帰りのつもり・・だからね」
「しかし、ここは、”あなたの世界”とは違う」
「いいさ、それでも、この日本も、確かに日本だよ。私が縄張りとしたエドメガロポリスはないけどね」
「すまない」
「しかし、ボンボン・・でいいかな、なんか、気に入った・・」
「いいですよ、八郎さん、お好きなように」
「では、お言葉に甘えて。君なら、わかるだろう?ボンボン、ここも新興都市の弊害なのかわからないが、エドメガロポリスと同じような、面妖な”気配”がぷんぷんだが・・」
「幻魔、でしょうか」
それほど外見上は年が離れているとも思えないが、ボンボンは、敬語で八郎に接する。年齢不詳、黒野千波の知り人として、先輩に当たることを知らされており、なによりも、今は亡き祖父と同じ名前なのが、そうさせるのだ。
「わからない。否定は出来ないが、この世界の幻魔・・幻魔大王の尖兵がここに来ているのだろうか。それだったら、黒野女史も、もっとはっきりと情報をくれるはずだが」
「そうですね。それは、僕に対しても同じだったと思うので。まあ、どの世界にも、幻魔は出没しているようですから、雑魚は目こぼしにしているのかもしれませんけど」
「ほう」
「僕も、この世界に来ていた、ドク・タイガーって、雑魚の幻魔と兄貴のところで出会いましたから」
「ドク・タイガーか、まあ、侮ってはいけないのだろうが、たしかに、雑魚」
「そうした連中が、この世界、ウイングシティで暗躍しているということでしょうか」
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