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4 婚約者 (圭)
" 暴力をふるって……七瀬先生が君を選ぶと思うか? "
正直………悔しかった
会長室に向かう途中の階段のロータリーで
…………はぁ………とため息をつく
俺は………知識は叩き込まれていても
まだ17才で…………
七瀬にはガキにしか思われていないかもしれない
苛立つと暴力や力で解決しようとしてしまうし
柳に言われた言葉が
…………図星過ぎて
胸に刺さる…………
ガチャン…ッ………と会長室のドアを開けた
『圭、おはよう』
『圭………久しぶり、3年になって……外回り三昧だよ………圭も臣様と外回り忙しいんじゃない?』
会長室には了真と祥が爽やかに
微笑みながら………ソファーに座って
………俺を待ってくれていた
やっぱり………昔からの友達は安心する
………俺は鞄をデスクにドサッと置きながら
『あぁ………もう毎晩うんざりだよ』
二人がクスッと笑う………
『だよな……卒業したらこの学園と財閥の取締役になるんだし………臣様はまだずっと会長を取り仕切るんだろ?』
『あぁそうだな………了真と祥も……引き継ぎで忙しいな』
………………俺たち三人は決められた人生
将来の夢も幼い時から………
………頭に叩き込まれる
3年に進級してからは
了真や祥も仕事で忙しくなった
………卒業したら………きっと………もっと会えなくなる
『そうそう、圭、有馬七瀬の狩りどうだった?』
『あ、俺も気になってたーっ何秒で泣いた?』
二人がわくわくした表情で
………俺を見つめる
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