Quiz

5/16
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
「私、クイズが好きなの。だから、高校に入ったら絶対クイズ研究会に入ろうと思ってたのに、この学校にはクイズ研究会がないのよね」  彼女はそう言い終えてから、小さくため息を吐く。 「だったら、作っちゃえば? クイズ研究会」  思いついたことを、特に何も考えずに口にした瞬間、彼女はポンと手を叩いて、 「いい考えね。だったら、二人でクイズ研究会を作りましょう」  と言い、熱い視線で僕をじっと見つめる。 「えっ? 二人で?」 「もちろん」  戸惑う僕に、彼女は力強く答える。 「一人じゃ研究会は成り立たないし、何よりあなたが言い出しっぺなんだから。それに、名前が(クイズ)だなんて、クイズ研究会に入るためにいるようなもんじゃない」 「でも、僕はクイズなんて……」 「つべこべ言わないの!! そうとなったら、早速、研究会の設立手続と顧問の先生探しに行くわよ」  僕は彼女に押し切られるような形で、そのまま職員室へと連れて行かれた。そうして、僕と彼女のクイズ研究会の活動が始まった。     
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!