Quiz

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 彼女の力強い言葉に、僕は黙って頷いた。  高校二年生になり、僕と彼女は新入生の勧誘に精を出したが、反応はあまり芳しくない。今年も誰も入会してくれないのだろうか。そうだとしたら、今年の夏のクイズインターハイはどうするのだろう。僕はそんな心配ばかりしていたが、幸いなことに杞憂に終わった。一人だけだが、入会希望者が元気に部室に飛び込んできた。桐谷(きりたに)(さくら)という女子だ。桜は理沙ほどではないものの、可愛らしい顔立ちをしている。ただ、理沙とはずいぶんタイプが違う。ショートカットで、元気一杯な女子という印象だ。だけど、とにかく桜が加わってくれたことで、クイズインターハイに向けての活動が本格的に始まった。  夏休み、ついにクイズインターハイの予選が始まった。予選は一ラウンドから最終の五ラウンドまでを戦って、最後に残ったチームが県の代表として本戦に出場できる。ラウンドが一つ進むごとにチームの数はどんどん減ってゆく。そして、最終ラウンドは勝ち残ったニチームの一騎打ちとなる。     
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