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コラトゥーラを出てからというもの、あれから一週間になる頃だった。食料はなんとか、木の実や、生えているキノコ類、野草類に頼って生活をしていた。そろそろ水が本格的に欲しくなってくる頃だった。なんとか水分はこの季節、助けになったのは初々しく木々に実った果実の汁に頼ってきた。
メアリ―が皮布でできた水入れを振って、
「そろそろ、本格的に水が欲しいわね」
「うん。多分そろそろ魚人たちの湖に到着するはず。てか、バニラ! あんた酒飲むから! そんなにも干からびるんだよ。そのせいで三日は遅くなっていることわかってる!?」
カラスがバニラに睨みをきかせる。バニラはヘトヘトと云わんばかりに片手を挙げて、
「はーい......あたしのせいですぅー。だって、まさかこんなに遠いなんて思ってなかったんだもーん......外に出たらすぐ町とかあると思ったんだもーん......」
「ない! そんなものない! ったく。メアリ―、ごめんね。ほとんどバニラに水あげちゃってたから。メアリーきつくない? 休む?」
「大丈夫よ、カラス。とにかく先を急ぎましょう。バニラも限界のようだし。もうすぐ水にありつけるのなら早く進んだ方が得策だから」
「了解。じゃあバニラ、頑張って歩いて。さあさあさあ!」
「ふあーい......」
バニラの背中を押しながらカラスとメアリ―はきびきび歩いた。
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