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カラスはそれを実の子でも見るかのように見つめると、カバンから地図を取り出し、
「メアリーのお陰で、ジェコバの情報もリアーナたちから聞けたし。この山を越えてまず東に向かう。この山の向こうはコラトゥーラの領域じゃない。どんな険しい道かわからない。みんな、私の傍を絶対、離れないでね」
言って、リアーナに描いてもらった地図を見ると、先を進んだ。
情報としては、ジェコバがあるだろう、という噂の域を出ないものだったが、山を下りて東に行くと、人里があると聞いた。
人間たちなら、そこへ行っても大丈夫だろう、そうリアーナは言っていた。
なら、アトラたちは？
そこは、疑問符が浮かんでしまったが、今は進むしかない。絶対、何があっても、カラスはもう、誰も傷つかずに、進んでいけるように、胸に地図を抱き、刻んでいた。
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