ロン毛

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そんなある日、いつもとは全く異なる、晴れやかでハッピーな調子の音色が、耳に届いてきた。 「もしかして、あいつ・・・」 その直後、玄関のチャイムが鳴った。 「来た!」 「あっ、新聞どうですかね」 「何だ、こんな時にお前かよ」 ・・・ そういえば、確か、 「景品で、ビール1ケースくれるって言ってたよな、新聞とれば」 「ええ、今持ってますよ」 「分かった、じゃ俺新聞とる。その代わりにビール1ケース、隣の部屋に持っていってくれ。その時に、『遂にやったな』っていう、俺からの伝言を忘れないでくれ、いいな」 一日置いて、ロン毛はやって来た。長太刀の様に背中にギターを背負い、そして両腕には、キンキンに冷えたビールをいっぱいに抱えて・・・
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