上も下もない世界へ…

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上も下もない世界へ…

たまに、こんな時がある… とてもとても重い気持ちになる。 雨のせいだけではなくて、 周りの声も雑音に聞こえる時。 たまに、こんな事を思う… 身も心も軽くなりたいと。 ふわふわ翔んで揺れていたい、 空の声を聞いて居たいと思う。 たまに、閃きが頭を過ぎる… そうだ!逆さまの世界にしよう、と。 窓の外に背を向けて壁に向かう、 両手を床にピタリとつけてみる。 両腕に神経を集中させる… 徐ろに、足を蹴りあげる… それまでの重力を腕で支える… そう、逆立ちする事を選んだ時。 何も言わない壁に助けてもらい、 体を支えてもらい腕だけで踏ん張る。 グラグラ安定するまで我慢して、 慣れてきたら窓の外を眺める。 雨降りの逆さまの世界、 フェンスの雨垂れが空に向かう。 勢いよく舞い上がり雨音か鳴る、 空の上の水溜りが揺れている。 こんな世界もたまには良い、 何だか、頭がリセットされて 何もかも忘れてしまえる時間で、 たまに、こんな世界を見たくなる。 暫く眺めて居ると、 隣の庭のみかんが翔んでった…
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