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3.説明回って眠くなるよね
「ツカサ君、エルフって……なに?」
ブラックが聞いて来るけど、今の俺にそれを説明する余裕はない。
だって、だって……エルフが目の前にいるんだぞ!
何か言ってられる暇なんてあるかってんだ!!
あの気高く聡明で美しい森で暮らす狩りと魔法の申し子、長命でどんな年齢でも美しいという設定を持つ種族、おまけにエロ漫画では必ずと言っていい程犯されるくらいファンがいるという、あのエルフが今、俺の、目の前に!!!
この際お婆ちゃんだとかはどうでもいい。エルフであることに意味が有るのだ。
っていうかシアンさんお婆ちゃんでも凄く綺麗だし。そういう属性はないはずの俺でも、微笑まれたらポーっとしちゃうくらい美人だし……!!
「やはり……あなたは異世界からの使者なのですね」
微笑むシアンさん。あっ、やっぱり綺麗。透き通るような青い瞳が海か空かって感じで本当宝石みたいで引き込まれる。やばい。ドキドキする。
あっ、あっ、本当微笑むのやめてくださいボク耐性ないんで!!
エルフ補正怖すぎる、ちょっと顔見るのやめとこ。
「やはりって……さっきの言葉で何が解る」
やけにつっけんどんなブラックの言葉に、シアンさんは「ふふっ」と笑い声を漏らして俺の向かい側のソファに座る。
そして、また俺に話しかけてきた。
「ツカサ君、貴方はエルフとは何か知っていますか」
ああー。声が、声が綺麗すぎる。耳が浄化されてしまう。
慣れろ、慣れるんだ俺。このままだとどう考えてもアブノーマル過ぎて人様にはとてもお見せできない領域に行ってしまう。うおおー。
必死に言い聞かせつつ、俺は健全な部分だけ切り取ってエルフの事を説明した。まあ、シアンさんは俺の事異世界人だって知ってるからいいよな。
「え、エルフは森に棲んでいて、狩りや術に長けている上に、人間よりも能力が高くて……みんな凄く綺麗だっていう話が……俺の世界には有ります……」
と、そこまで説明して、俺は有る事に気付いた。
……神族は頭脳明晰で、人間達より曜術がうまく使える存在。そして、特定の場所にしか住めないって……それって……俺が今言った特徴と一緒だよな。
ってことは……。
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