3.説明回って眠くなるよね

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  「人間で言えばまだ若者よ。ヤングなのよ。目くじら立てずに許してあげなさい」 「お前がインケンババアと言われて怒らないのなら許すけどね」 「はいはい。では陰険クソババアでも何でも、お好きにお呼びなさい」 「ぐううううそこまで言ってないぃ」  口喧嘩は亀の甲より年の功。やだ、ちょっとまたニヤニヤしちゃう。  いつもは散々俺をからかってるブラックなのに、こんな事で言い負けてるんだ。これが笑わずにはいられるかってんだ。いいぞいいぞ、シアンさんもっとやれ! 「オホホ、ツカサ君本当に大変ね、こんな人に好かれちゃって」 「ははは……解ってくれますか」 「ええ、なんたって古い知人ですからね。……でも、これでも昔よりマシになったのよ。許してあげて。……ああそうそう、まだ話は終わってなかったわね。ええと……黒曜の使者の事と、始末しようとした理由まで話したかしら」 「はい、後は……俺がどうしてこの世界に飛ばされたのかって事と……出来れば、帰るヒントなんかを教えて貰いたいんですが」  そうそう、俺的にはそっちが重要なのよ。  始末する理由を訊いたのは、俺に対してまだ敵対心を持ってるのかどうかの確認のためだ。クロッコさんが命令を捻じ曲げただけで、問答無用で殺そうとしてたんじゃないってんならそれでいい。  答えを聞いて、俺をここまで来させた事にも納得出来たしな。  この人は少なくとも俺に協力しようとしてくれている。  俺の事を完全な脅威と思ってないなら、穏便に済ませたいと思っているはずだ。なら、元の世界に帰す方法だって考えてくれるかも知れない。  そんな願いを込めての質問だったが、シアンさんの答えは芳しくなかった。 「貴方がこの世界に来た原因についてだけど……残念ながら神族でも把握できないわ。異世界で最後に聴いたと言う声の事を考えれば、犯人がいるのには間違いないけどねえ。……ブラックにも聞いたと思うけれど、この世界には異界を渡る術など存在しないの。仮に存在していたとしても、今の私達には判らない。……ヒントと言っても、とっかかりを探すことがまず難しいわね」 「なにか……ありませんかね?」  そう言うと、シアンさんは暫し考えて……ふと、顔を上げた。  
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