4.調査?そのまえに獣人娘だろうがァ!!

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   高い声で可愛らしい犬耳の美少女が近寄ってくる。  茶色い垂れ耳、ふわりと整えられた金髪、しかも純白のロリっぽいドレスとくれば、あまりに狙いすぎて「萌え殺す気か」と逆に怒りたくなる。  思わず鼻の下が伸びそうになるが、キリッと抑えて俺はエヘエヘと笑った。 「そ、そうなんです……というか俺、こういう所自体初めてで……」 「ほえ~、そうなんですか! えへへ、初めて大丈夫ですよ、安心して下さいね! ウチは明朗会計健全運営、世界協定お墨付きの真っ当なお店ですから。さーさー、まずは座って!」  どうぞどうぞと促され、俺は逆らわずに付いて行く。  純白のドレスからぴょこんと飛び出した尻尾がぱたぱたと動いていて、もう本当その尻尾が可愛すぎて頬擦りしたかった。しないけど。俺殴られたくないからしないけど。頑張れ俺、頑張れ。  比較的店の真ん中に在る席に通されると、すぐに牛耳をつけた美青年の店員さんがやって来た。イイヨイイヨ、今なら男でも許すよ。  牛耳可愛いじゃない。俺牛耳も好きよ。 「当店にようこそお越し下さいました。初来店のお客様という事で……外の張り紙以外にも少し注意がございますので、ご説明させて頂いてよろしいでしょうか?」 「あ、はい」  なんだ、まだあるのか。  入店してから「ハハハ馬鹿め、ここはぼったくりだ!」とか言わないでくれよ。身ぐるみ剥がされない程度の金は持ってきたけど、そういう怖いの嫌だからな。  とか思っていたら、まず先に説明されたのは料金の事だった。  この辺りの説明は、指名料とかメニューが割高なお詫びとかだったからちょっとホッとした。てか割高な事も一々説明してくれるんだ。俺の世界の水商売より優しいじゃん。メニューを見せて貰ったけど、別に酒場とあまり変わらない値段だったので、俺は快く了承しておいた。  
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