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ラピッドはフロートとブリーズを合わせて、足に力を付加する中級術だ。これが有るのと無いのとでは、俺の動きに随分差が出る。
俺は運動音痴なので、慌てると転んだりして素早く動けないのだ。
そのせいで戦闘ではかなり足手まといだったし、それに負い目を感じてたから、これを覚えた時は本当に嬉しかったよ。
いやー、ブリーズも根気よく練習してて良かった。地味な作業の勝利だな。
そんでもって、木の曜術では初級術【グロウ】に植物を操る【レイン】、そして気との複合術である中級曜術の【メッサー・ブラット】……水の曜術は、初級術で水を作り出す【アクア】と水を操る中級術の【カレント】をマスターした。
そして……最後の一つ。
俺は旅をするうちに、水の曜術最終奥義とも言われる上級術【アクア・レクス】を覚えたんだけど……これがかなり意味不明な術だった。
【アクア・レクス】は、水源や水脈を感知する術だ。認識出来る範囲の全ての水を鑑定し、自分の体と照合して有害か無害かを判定できる。
そして、この術で認識した水が鑑定できる物であれば、精神力と引換えに自分が認識した全ての水に変質させられる……って事だったんだけど、イマイチ使い方が解らない。
実は水の曜術ってこの三つだけしか術が無くて、アクア・レクスもすぐに覚えられるワリには水専用の鑑定スキルっぽいので凄いのかすら判定不能だ。
これだけすんなりだと、本当に最終奥義なのかすら疑わしい。
でもブラックは「短期間で上級術を習得出来たのは凄い」って言ってたし、上級術には間違いないんだろうな。すぐに覚えられたのは、俺のイメージする能力……操力が高いからなんだろうか。
まあ、使えるに越した事は無いよな。
とにかく俺もこの数週間で色々と進化したって訳だ。
無論、薬師としての研鑽もちゃんと怠らなかったぜ。
リュックやスクナビ・ナッツからアイテムを取り出して、それぞれ確認する。
俺が今所持しているのは、調合・調理器具やペコリアとドービエル爺ちゃんから貰った【召喚珠】、そして携帯百科事典と【縁故の腕輪】に、野宿をする道具やら食料やら狩猟用のナイフなどだ。
「えーと……そんで、薬品とかは……っと」
今俺が持っているのは以下の通り。
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