274人が本棚に入れています
本棚に追加
/74ページ
俺の地元の中学でも風紀委員会は厳しくて風紀を取り締まっていた。
生徒ではなく教育指導の先生みたいだと嫌がられていた。
だからここでもそういうのだと思っていた。
譲は「俺もちょっとアレだと思うしなぁー」と言っていた。
そう勿体ぶられると気になる、なんなんだ?いったい。
「はっきり言ってくれ」
「…まぁ蒼もこの学園に居ればいずれ会うだろうしな、なんつーか…風紀委員長…気持ち悪いんだよ」
俺は思っていた内容ではなく口をポカーンと開けて譲を見る。
なんだそれ、風紀委員長が怖いんじゃなくて気持ち悪い?
譲は誰とでも仲良くなれるような明るさを持っていたからそういう感情を抱かないと思っていた。
それとも譲にそう思わせるほど相当気持ち悪い人なのか?
ほとんどの生徒に嫌われてるみたいだし、ちょっと見てみたいかもしれない…風紀委員長。
譲は「顔がじゃなくて、なんか気持ち悪いんだよ!」と変なフォローを入れていた。
「まぁあの生徒会長と副会長を見た後なら劣って見えてしまっただけかもしれないぞ?」
「…そう、かなぁ?」
譲は首を傾げる。
ヒラヒラと桜並木から風が吹き俺達を誘おうと桜が舞う。
それはとても幻想的で、まるで俺達はおとぎ話の中に迷い込んでしまったかのような錯覚を覚える。
4月とはいえまだ肌寒く長くこの場所にいたら風邪を引いてしまう。
この話はここで終わりにして誘われるままに歩き出した。
俺の入学初日は一言で表せないほどにいろいろと会った。
俺の真実、いろんな人との出会い、そして今後の事。
俺は、まだ理解していなかった……Ωという性を…
最初のコメントを投稿しよう!