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急に茶髪の人から表情が消えてマジのトーンで怒られてしまった。
さっきまで明るかったのに鳥肌が全身に立つほど怖かった。
どうやら俺の考えすぎで二人は番ではないようだ。
だとしたら普通に親友とかだろう、いいなぁ親友……友達はいるけど親友と呼べる相手に会った事がない。
気を取り直してまた茶髪の人は表情を和らげてニッと笑った。
よく喜怒哀楽が変わる人だな、銀髪の人はずっと無表情だけど…
「響くんは偏食が過ぎるんだよ!もっと栄養バランスを考えてだなぁ」
「お前だって甘いもんばかり食べて栄養偏ってるだろ」
「甘いは正義だよ響くん!俺特製のプリンを君にあげよう!」
「いらねぇ」
二人の会話に首を傾げる、何だか話が脱線していないか?
抑制剤の話だったのにいきなりプリンの話になっているぞ。
…うーん、俺…蚊帳の外だし…帰ってもいいかな、お腹空いたし…
でもΩの話は聞きたい…俺はどうすればいいんだ!
そんな事を一人で迷って考えていたら茶髪の人が俺の困った顔を見て本題を思い出したように手を軽くポンと叩いた。
プリンの話からどうして地球は青いのかという意味の分からない話になっていたから助かった。
「つまりこれ、似てるよね?って話だよ」
「…えっと?」
「Ωのヒート抑制剤だと思ったんでしょ?」
「はい」
俺が考えていた事を素直にそう答えて不思議そうに茶髪の人を見る。
何だかその聞き方だとまるでコレはそうじゃないと言ってるように思えた。
え……もしかして、違うのか?でも俺が持っていたやつとそっくりなんだけど。
ニヤニヤと楽しそうに笑う茶髪の人が俺の瞳に写る。
茶髪の人の綺麗で完璧な口の形が開き声を発する。
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