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今朝のΩ集団か、本当に何しに来ているんだろう。
そわそわと周りを見渡すΩ集団、もし…政府に選ばれなかったら俺もあの中に居たのだろうか。
いや…αに自分から近付きたいなんて思わないからいないか、運命の番ならともかく…
その時、Ω集団が今朝と違う行動を取った。
耳に響くうるさい叫び声が聞こえて頭が痛くなる。
女のΩの声なら分かるが男のΩも混じってる、可愛い顔なら声も可愛くなってしまうのか…変声期前みたいだ。
叫びに似た歓声を上げる。
歩いていたα達はΩ達みたいな騒がしい事はしないが一歩引いたところで見ていた。
その瞳は憧れを抱いているようなキラキラした輝きを持っていた。
隣にいる譲でさえ惚けている。
いったい彼らは何にそんな顔をするのか分からず周りをキョロキョロと見渡していた。
そしてその正体に気付き納得した。
ただ歩いているだけなのにとても絵になる二人組が校舎に向かって歩いていた。
Ω集団からは「響様ー!!」「悦様ー!!」と声が聞こえていた。
俺が出会ったあの銀髪の人と茶髪の人だ。
茶髪の人は声に気付き小さく手を振っている。
それにさらに興奮したΩ集団がキャーキャー言っていた。
そして自分に手を振ってくれた、いや自分だと喧嘩を始めてしまった。
まるでアイドルみたいだとあまりにも非現実的な事を目の当たりにして驚いた。
…というかあんなに興奮して、ヒートしないかハラハラする。
銀髪の人は興味がないのかさっさと校舎に入ってしまい茶髪の人も後を付いて行き静けさが戻ってきた。
二人がいなくなった途端に足を止めていた周りは足を動かし始めてΩ達は早々に解散していった。
あの二人目当てでこんなに集まっていたのか、驚いた。
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