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「さすが学園ツートップ、人気が違うな!」
「…譲、あの二人の事知ってるのか?」
「は…?…あー、そういえば蒼、入学式の時完璧に熟睡してたよな」
入学式の時は本当に眠くて最初の理事長の話しか聞いていない。
譲は「あんなにうるさかったのに一度も起きないから死んだかと思ったぞ!」と笑っている。
うるさい?入学式が?いったいなにがあったのかとても気になる。
そして譲は話してくれた、入学式なにが起きたのか。
俺が寝た後、譲は気持ち良さそうに寝る俺を起こすのは可哀想だとそっとしてくれていた。
そして長い理事長の話が終わり、生徒会風紀委員会の挨拶となった。
生徒会のメンバーである5人の男女がステージの上に立った瞬間体育館が湧き上がった。
譲は最初驚いて周りをキョロキョロと見て目を丸くしていたがステージを見ると納得してしまった。
男が惚れる男がいるようにαが惚れるαは本当にいたんだと思ったそうだ。
これはΩならひとたまりもなさそうなほど色気を感じていた。
「生徒会長、如月響」
「副会長の宝生悦、皆!よろしくね」
スマートにウインクする副会長にまた歓声が湧いた。
生徒会長が話そうとすると歓声はピタリと止み、まるで練習していたかのようだったみたいだ。
その後書記の双子の男子生徒や会計の女性など見えていない様子で皆生徒会長と副会長に釘づけだった。
俺もそうだったから何となく気持ちが分かると苦笑いする。
そしてさらにその後生徒会が去り風紀委員会がステージに上がった。
皆、歓声からヤジに変わっていったそうだ。
「というわけだよ、凄いよなぁ…あのツートップは本当オーラが半端ないんだよ」
「…いや、それはそうだけど風紀委員会…なんで嫌われてるんだ?」
「えっ、あ…あー…まぁな」
何だか歯切れが悪いな。
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