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突然声を掛けられて驚いて譲と一緒に声のした方向に目を向ける。
するとそこには綺麗な黒髪の男性が立っていた。
このスポーツジムの従業員だろうか、にこりと笑うその顔に見惚れる。
…さすがエリート学園、顔面偏差値も恐ろしい。
まぁ俺みたいな平凡が入れたんだから顔面偏差値は関係ないよな。
この人もαなのかな、教師と生徒は全員αだと知っているが従業員までは分からない。
首には社員証がぶらさがっているがマジマジ見ると変だよな。
「俺達一年です!」
「…あー、一年生か…五階は一年生はまだ使えないんだよ、二・三年生になったらまたおいでね」
元気よく自己紹介した譲がどんどん元気がなくなっていた。
なるほど、だから五階は上級生しかいなかったのか。
俺達はジムから出て五階の探検は呆気なく終わった。
今の時間ならエレベーターは混んでいないかなと思いエレベーターに近付く。
行きも階段でまた階段はさすがに嫌だった。
五階が最後だから皆降りるだろうという考えもあった。
思った通り何人か降りて空になったエレベーターに乗り込む。
一階のボタンを押して壁に寄りかかる。
僅かに内臓が浮き上がる変な感じがしながら下へ下へと降りていく。
その間に譲は地図を眺めていた。
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