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「えーっと、ロビーは見たから…娯楽室と大浴場とレストランと…」
「そんなに見て回るのか?」
「ん?蒼、疲れたのか?」
疲れたわけではないが娯楽室はともかく、大浴場とかレストランは普通に行くだろうから今見なくてもいい気はする。
「普段行かないところだけでいいんじゃないか?」と提案すると譲はうーんと考えた。
そしてエレベーターが止まり、人が入ってきた。
4階で止まるから一年生だろう。
エレベーターはなかなか進まず一階ずつ止まり、エレベーター内はあっという間にぎゅうぎゅうになり息苦しくなった。
譲も見えなくなった、人の群れに押されてエレベーターからつまみ出されていなければいいが、本人が見えないんじゃ分からない。
そして一階で皆降りるから流されるように俺も降りた。
思いっきり深呼吸して一息つく。
周りを見渡し譲を探すと床に寝そべっている男がいた。
後ろ姿からして譲だろう。
「譲、大丈夫か?」
「…うっ…ちょっと踏まれた」
譲の腕を掴み助け起こすと苦笑いしていた。
エレベーターはもう使わない方がいいなと俺と譲はそう誓った。
気を取り直して娯楽室のある方向に歩いていった。
娯楽室はロビーの談話室スペースの少し先ある。
娯楽室に入ると、薄暗い空間に落ち着いたBGMが流れていてバーのような雰囲気があった。
でもカウンターで出されているものはソフトドリンクオンリーのようだ。
ダーツやビリヤードなどの遊び場があって全体的に大人の雰囲気を感じた。
俺達はそっと娯楽室を後にした。
…ちょっと俺達には早すぎたな。
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