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そっちか、良かった…とホッとした。
今はなんか食欲が出ないからプリンで十分だ。
俺なんかより譲の腹がステーキを食べるだけの量が空いてる事に驚いている。
……よく食えるなと感心する。
待ってる間他愛もない会話をしていてウェイターが料理を運んできた。
こ、これが極上プリンか…金持ちが食べるプリンだからか何だか輝いて見える。
「食わねぇの?」
「た、食べる!」
プリンをジッと見つめて食べるのもったいないなと思っていたらもう既に食べ始めている譲が口をモゴモゴしながら聞いてくる。
譲は食べないなら自分がプリンも食ってやるという勢いだったので慌ててデザート用の小さなスプーンを手に持つ。
とろけるようにすっとスプーンを飲み込み掬う。
きっと材料も一流のものを使っているのだろう。
ごくっと緊張しながら一口口に入れる。
下の上で水のようにとろけて頬も緩む。
う、うまい…甘いカスタードにほろ苦いカラメルソースが絶妙で今まで食べたプリンの中で一番美味しい。
一口一口堪能しながら食べる。
今後自炊するなら食えなくなるな、いや…デザートぐらいなら…うーん。
幸せな食事タイムは譲の「…もう、食えん」という苦しそうな声と空の皿を見て終わった。
食堂という名のレストランを後にして、譲を支えながら歩く。
譲は少し部屋で休むと言っていた。
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