第一話

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そして高校受験の季節、両親はとても悩んでいた。 何処の高校にするか俺は何処でも良かったから両親に託したが、両親は高校がほとんどが全寮制だからどうしようか相談していた。 これは親元を離れ自立させるために教育委員会が決めた決まりだそうだ。 俺は別に一人でも大丈夫だと両親に言うが両親はただ苦笑いするだけだった。 家事はなるべく母のを手伝っていたが、信用出来ないほどダメダメだったのかと密かにショックを受ける。 俺より弟の方が心配だと思うんだが、家族にまだ甘えていて俺の指をもごもごと咥えているぞ? 一度赤ちゃんみたいだなって言ったら思いっきり指を噛まれて二度と言うまいと血を流しながら決意したのは記憶に新しい。 そしてやっとここならいいと両親が決めたところは一人一人個室の城のような大きな建物の寮の写真がパンフレットに載っていた。 そこは国内一偏差値が高い名門私立高校だった。 学費も高いし俺の頭で入れるか不安だったが両親は「蒼のためならお金の心配はいらない」と言った。 俺は両親が頑張るなら自分も頑張ろうと決意して勉強した。 そして本日、俺は月岡(つきおか)学園に入学します。
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