274人が本棚に入れています
本棚に追加
「…立花蒼くん?」
「え…?」
ずる休みをしているからか余計ビックリして後ろを振り返る。
そこにいたのは見知らぬ人物だった。
中学生くらいの身長に帽子を深く被った少年…全く見覚えがなかった。
…ここって中等部あったっけと首を傾げる。
すると少年はニッと笑った。
帽子のせいであまりよく顔が見えない。
「伝言だよ、荷物が届いてるって…寮管理室だってさ」
「あ、ありがとう」
わざわざ言いに来てくれたのか、いい子だな……年上だったら申し訳ない。
それだけ言い少年は寮の入り口に向かって歩いていく。
何人かとすれ違いになる。
あれ?今日は学校終わるの早いんだな。
まぁいいか、その荷物は多分抑制剤だろうから早く貰いに行こうと寮管理室に向かった。
あの管理人さんにこんなに早く会うなんてなと思いながら寮管理室のチャイムを押した。
「あれ?荷物なら君の友達が取りに来たよ?」
「え?」
譲が?なんで?
訳わからなくて管理人さんは俺の荷物は今手元にないアピールをしていたから仕方なくその場を引き返した。
もしかしたら譲、俺が休んだから部屋まで持って来たのかもしれない。
だとしたら行き違いになってるなと思い部屋に向かって歩いた。
その時、異変は突然現れた。
口を押さえてうずくまる。
最初のコメントを投稿しよう!