第二話

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「…うっ、ふ、んっ…!!」 なんだこれ、なんだこれ、なんだこれ!! 急にずくっと下半身が熱くなったと思ったら腹の奥が激しく疼く。 もしかして、これが…ヒート? 早く部屋に帰らなくては…エレベーターはダメだ…なら階段だ。 そう思っていたら奥から人の話し声が聞こえた。 ダメだ、階段は一つ…帰れない。 ヒートの匂いが気付かれたら、おしまいだ。 早すぎるだろ…と自分の不運を呪った。 とりあえず曲がり角に隠れたが、こんな場所…すぐにバレてしまう。 俺は覚悟して目を閉じた。 「ん?なんか匂いしね?」 「え?これヒートの匂いじゃ…誰か連れ込んでるのかよ」 声が匂いの主を探そうと走り去る足音が聞こえて、少ししたら聞こえなくなった。 俺は口を押さえられて声が出せなかった。 誰だ…?後ろにいる奴には俺がΩだってバレているだろう、こんなに近くで匂いを嗅いでいるんだから… でも、あまり興奮しているようには見えない。 それどころか後ろにいる彼の体臭を嗅ぐと余計酷くヒートが悪化している。 Ωのヒートの匂いはΩには効かない…じゃあ、これはαの… 「お前、Ωだったのか」 「ふっ……んんんっ」 耳元で話さないでくれ、本能がαを求めて暴れている。 苦しい…… ここは何処なんだろう。
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