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いきなり腕を引っ張られてここに連れてこられたけど、真っ暗で何も見えない。
俺、どうなるんだ?…バラされるのか?
それとももっと酷い…
「薬は?」
首を横に振った。
今日宅配で送られて多分譲が持ってる。
でもこの状態でうろつけないし、譲が何処にいるか分からない…部屋にいればいいけど…
Ωってずっとこんな苦痛と戦っていたのか、他人事だったけど…もう他人事ではない。
口を塞いでいた手が離れて、支えるものがなくなり床に座り込む。
身体が震える、熱い…苦しい…助けて…
「ヒートを抑える方法は知ってるか?」
ヒートを抑える方法なんて…ヤるしかないじゃないか。
それだけは嫌だ、こんな訳わかんない状態で知らない奴となんて…
俺の姿が見えてるか分からないが首を横に振る。
しかし、俺にゆっくりと近付く足音が聞こえた。
何の目的か分からず怖くて部屋の奥に避難する。
嫌だ、来るな…俺は…俺だって好きでヒートを出したわけじゃ…
『ヒートのせいだ』
『Ωが悪い』
あぁ…なんでこんな時に嫌な事思い出すんだよ。
テレビの中でαの学校でΩを侮辱する言葉が頭の中で回り、下を向き身体を小さく丸める。
すると俺の視界に影が落ちたと思ったら不意に引き寄せられた。
暖かな温もりに包まれて目を見開き驚いて固まる。
ヒートで苦しいのに、その優しさが今は安心出来た。
…なんでだろう、運命の番ってわけじゃないと思うのに………違うよな?
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