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自慰なんて気持ちいいと感じた事があまりないから滅多にやらない。
溜まるといけないから機械的に自慰をするだけだ。
たどたどしく動かしているとふと触れた事がない奥が疼いていた。
…え、なんでそんなところが?いや…まさか…そんな…
顔が一気に青ざめて、恐る恐るそこに指を這わせる。
授業で男同士のは習った事があったが…Ωはそっちで自慰しなきゃいけないのか?
嫌だ、やりたくない…そう思っていてもヒートで言う事を聞かない身体は自然と奥に腕が伸びていく。
「あっ、あぁぁっ!!」
指を少し入れただけなのに泣きそうになるほど気持ちが良かった。
あー、ダメなのに…俺、Ωだから前だけじゃ感じなかったのか?
そう思いながら指をどんどん中に埋めていき、ゆっくりと動かす。
指も気持ちいい…もういいや、プライドなんて元からない…バカになった方が楽だ。
処理ではなく、性行為を楽しむように指を突き動かした。
身体が震える、自分の指でこうならαに抱かれたら俺どうなるんだろう。
手がぬるぬるする、いつの間にか終わっていたのか。
…変だな、ヒートは治まった筈なのに涙が止まらない。
俺という存在が浅ましく汚い存在のように思えた。
つい昨日まではαだと思っていたのに、今ではそのαを求めている。
もう誰も見るな、俺を見るな…本当にΩになったんだと現実を突きつけられた。
消えてしまいたい…
そこでさきほどの生徒会長の存在を思い出した。
そうだ、ずっと廊下で待たせるわけにはいかないな。
手を伸ばして汚れていない方の手でドアノブを捻る。
少し大きな音を立てて扉が開くと、安心できる背中が見えた。
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