第二話

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※如月響視点 今日はいつもより早めに授業が終わり、生徒会の集まりはないからそのまま帰るだけだ。 生徒会長とはいえちゃんと授業にはほとんど出席している。 大型の学校行事がある時は放課後の生徒会の仕事だけだと間に合わないから仕方なく休みがちになるが基本は真面目にやっている。 生徒代表の生徒会なのに休んでばかりいたら生徒達にも示しがつかないからな。 生徒会だからと優遇されてる事なんてない、所詮はただの生徒だからな。 …でも周りの奴らは俺を通して俺の家柄を見ている。 もう慣れたから今は何とも思わないが、俺を特別視している奴は少なくない。 家も俺の一部だし、将来は継ぐし…別に家柄を見ても構わないが俺は特別な奴なんかじゃない。 俺より悦の方が複雑だから同情するが、悦は心配されるのが嫌いだから何も言わない。 悦は授業には出るがほとんど寝ているからサボっているのと変わらない。 席が隣だから頭を叩きいつも起こしているがそれでも起きない時があるから困る。 文句を言いながら再び寝る悦にため息が出て二度は起こさない。 生徒会には行かないが仕事はあるからたまには寮の部屋で仕事をしようと悦と話ながら寮に向かった。 「夕飯どうするか」 「あー、仕事してると忘れがちになるからなぁ…響なんか買ってきてよ」 「分かった」 「この前みたいに栄養ドリンクの詰め合わせとか持ってきたら全部仕事響に押し付けるからね!」 栄養ドリンクのなにが悪いんだ?栄養ではないのか? 悦は肉が良いと俺に注文して自分の部屋に向かった。 今日は悦の部屋で仕事をする事にしていて俺も買い物が終わったら悦の部屋に向かう。 新入生歓迎会が近付いているからな、早く案を先生に持っていかないと仕事が進まない。 食堂でテイクアウトも出来るが、コンビニにしよう…悦は肉と言っていたが俺は栄養ドリンクで十分だからな。 そう思って歩いていたらふと甘い匂いが何処からかした。 近くで誰かがデザートでも食べているのか?と周りを見渡す。 すると小さくうずくまり少し様子が可笑しい人影が見えた。
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